瓔  珞

ようらく
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インドの装身具。
珠玉や貴金属を糸で編んだ装身具。
もともとは宝石などを吊り下げた首飾り。

※木只はフォントに無いので代用です。一文字として見てください。
  

 
倶盧洲
須弥山しゅみせんの北にある平安で穏やかな環境の島。

 

深沙大将
毘沙門天の化身で、玄奘三蔵法師がインドへ行く途中、砂の中から現れ、玄奘を守護したと伝えられる。砂漠での危難を救い、病を癒し魔事を遠ざけるという神様。

 ネックレスから

仏様の装身具や、本堂の天井などから下がっている、きらびやかな装飾品を瓔珞ようらくといいます。

瓔珞は通常、サンスクリット語のムクターハーラの訳と言われます。ムクターハーラは直訳すると「真珠の首飾り」で、首や胸にかける装身具が瓔珞の基本です。

瓔珞に相当する言葉は他にもあります。ハーラ、ケーユーラ、マーラーなどです。ハーラやケーユーラは腕環の意味で、マーラーは花環、花冠の意味です。ケーユーラは吉由羅きゆら、木只由羅などと表記されます。

瓔珞は宝石や貴金属を編んで作った物なので、糸偏の纓珞という表記もあります。纓はかざりひも、瓔は首飾りのことで、珞は「まとう」という意味から身にある物をいいます。

 アンクレットまで

お経には、咽瓔珞、手瓔珞、瓔珞、脚瓔珞と詳細に名前が挙げられています。は二の腕のことです。ネックレスからアンクレットまで、身に着ける装飾品はすべて瓔珞の範ちゅうとなります。

インドでは上流階級の人々は、男女ともに宝石などをちりばめた装飾品を身に着けました。時代によっては、男性のほうが女性よりも積極的に身に着けていました。宝飾品を身に着けることは、力の証でもあったのです。

 優れた能力を表現

瓔珞は仏様の身体を飾るだけではなく、仏様の智恵や陀羅尼などの功徳によって、荘厳になることを表します。

また、浄土倶盧洲くるしゅうなどでは、樹上に瓔珞が垂れている、と言われます。そこで、本堂内の荘厳のため、仏具にも瓔珞が用いられます。

 変り種

瓔珞はふつう宝石や花など、きらびやかな物ですが、インドの密教系の仏像の中には、ドクロなどを瓔珞とするものがあります。

大黒天閻魔天荼枳尼天だきにてん大威徳明王深沙大将じんしゃだいしょうなどです。いずれも仏教に取り入れられて、守護神となった神様です。その経緯を特徴的に表現するため、特異な瓔珞になっています。

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