荘厳仏具

しょうごんぶつぐ  仏具(鳴り物)
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  五具足(ごぐそく)   三具足(みつぐそく)

仏具でまず必要なのが、香炉やローソク立です。香炉1基・ローソク立1対・花立1対の計5個で1セットです。これを五具足といいます。

省略する場合は、ローソク立・花立を各1個として三具足(みつぐそく)と呼びます。三具足で飾るときは、ローソク立をお参りする人から見て右側に置く約束になっています。

お明かりとしてローソクを一般的に用いるようになったのは以外と歴史が浅く、ローソクが普及するまでは油を用いました。お皿に菜種油などを入れ、いぐさ科の植物から取ったスポンジ状の茎を灯心として火をともしました。


五具足

三具足
ローソク立は火立(ひたて) 花立は華瓶(けびょう)と呼びます。
  常華(じょうか)

大形の花立では生花ではなく造花が使われます。仏具では造花を常華といいます。木製なので木華(もっか)とも呼びます。形は蓮です。金色のものが多く用いられますが、彩色のものもあります。

生花の場合は、一日で散るような短命な花、いやな臭いのする花、トゲのある花、は避けます。トゲのような感じがしますが、松は葉ですし、生命力が強いので使われます。


常華    彩色常華
  天蓋(てんがい)

お釈迦さまが生まれたインドや東南アジアでは日ざしが強いので、傘は必需品です。また傘をさしかけることは敬意を表すことになります。傘から発展したものが天蓋です。宝蓋(ほうがい)ともいいます。

仏さまの上に設置するものは仏天蓋(ぶってんがい)人の上に設置するものは人天蓋にんてんがい)と呼びます。また護摩壇用の天蓋もあります。こちらは金属製で防火の役割も兼ねています。

形は四角、五角、六角、八角、丸、小判形などがあります。傘の周囲は瓔珞(ようらく)で飾られています。
  幢幡(どうばん)

仏様の徳をあらわす旗(標識)の一種です。たんに幡(ばん)と呼ぶこともあります。原形は布製ですが、装飾性の点から、木製で六角や八角の立体的に作られたものが多く使われています。布製の幡を和幡と呼んでいます。

左:布製の幡  右:木製の幢幡

  華鬘(けまん)

装飾品のひとつです。はじめは生花でつくられましたが、常華と同じく状態を維持しやすくするために木製や金属製のものとなりました。

ひもがデザインされているのは、生花をひもでつないで飾った頃の名残りです。

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