瓦経 かわらきょう
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板のような平瓦と、継ぎ目を覆う丸瓦で葺く方法を、本瓦葺といいます。
江戸時代になると、平瓦と丸瓦を一体化した軽量タイプが考えられました。
現在瓦と言えば、この軽量タイプの桟瓦さんがわらをさします。
丸瓦に相当する部分が、障子の桟に似ているので桟瓦といいます。

 カパーラ

瓦の語源は、サンスクリット語の迦波羅カパーラと言われます。他に甲冑・・・伽和羅かわら。あるいは亀甲・・・加宇良こうら。屋根の皮。土を焼いて板に変わる。などの諸説があります。

迦波羅は、皿、鉢、骨、頭蓋骨、などの意味があります。初め瓦は屋根全体を覆ったわけではなく、棟など重要な所だけに使われました。また、平家物語では、船の背骨に当たるキール(竜骨)を、”かわら”と呼んでいます。

 仏教とともに

瓦は仏教とともに日本へ伝わりました。588年に百済から仏舎利や僧侶とともに、瓦の技術者4人が来たことが、日本書紀に残されています。 

当初お寺の建物は、ほとんど瓦葺かわらぶきだったので、忌詞いみことばとしておを瓦葺と表現することもありました。

 鴟尾 しび

鵄尾、蚩尾、鴟吻しふんなどとも書きます。棟の両端を飾る瓦です。魚をモチーフとしています。魚は、火災を封じる信仰から採用された、と言われます。

鴟尾は形が沓くつにも見えるところから、沓形くつがたとも呼ばれます。後に鯱しゃちほこや鬼瓦に変化してゆきます。は、姿がで頭はという想像上の魚で、よく雨を降らす魚、とされています。インドのマカラ魚の影響もあったようです。

 瓦経 かわらきょう

紙に書いた写経では残りにくいので、粘土板にお経や曼荼羅などを彫刻して、焼き物として残した時代があります。これを瓦経といいます。埋経まいきょうの一種です。平安時代末期に流行し、約100年間くらい続きました。

大きさは、10〜30cm角ぐらいで、色紙形または長方形で、罫線を引き、その行間に1行17字詰めで、両面に書かれています。書かれているお経は、法華経、無量義経、観普賢経、大日経、金剛頂経、蘇悉地経、理趣経、般若心経などです。

目的は、先祖の冥福を祈ったり、弥勒菩薩が出現したときに、どの様な世界にいても救われるように、と願って作くられたものと考えられています。

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