般若心経

はんにゃしんぎょう
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般若心経は誰でもが名前くらえは聞いたことのあるポピュラーなお経です。解説書もたくさん出版されています。江戸時代には文字の読めない人のために、絵で現した絵心経も作られました。

原典は2種類あって、中国ではこれが10種類位に訳されました。最初は鳩摩羅什くまらじゅうという僧侶が訳しました。現在もっとも広く使われているのは、やはり西遊記の玄奘三蔵法師の訳したものです。その玄奘三蔵法師はインドに旅立つとき、先の鳩摩羅什訳の心経をお守りとして携えていったと伝えられています。

般若はパンニャーという梵語の音写です。意味は普通「存在の真相を知る智恵」と訳します。「どんなものも、何かの条件や原因によって、そこに存在しているのであって、まったく他のものと関係なく独立して存在するものはない」という事を知る智恵です。

これだけでは分かりにくいかも知れませんが、細かく解説すると一冊の本になってしまう程、奥の深いテーマです。内容を理解しなくとも「読むだけで功徳がある」という考え方もあります。その代表格が転読です。

経を読まずに、ただパラパラと手から手に流しているところをご覧になったことがあるでしょう。あれは大般若経という600巻におよぶ長いお経で、全部はとうてい読めないので、各経巻のタイトルと、初めの7行、中の5行、後の3行を読み、あとはパラパラと流すようにめくり、最後に机を数回たたいて全部読んだことにします。

大般若経は仏教の根本思想を説いた大切なお経ですが、あまりの壮大さにその存在だけで価値が出たのです。昔は重い病気にかかると、この経本の一冊を借りて枕元にまつり、病気平愈を祈る風習もありました。

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