虫 封 じ

むしふうじ むしよけ むしぬき
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機嫌が悪くなりやすい赤ちゃんや、じっくり眠らずいつもグズル子供を 「かんの虫がついた」 と表現します。「かん」には「癇」または「疳」の字を使います。癇が正字で疳は日本で使われる略字です。

 

 

 

 

 

虫封じは生後100日以上、満7歳以下のお子さんにするご祈祷です。

当寺で行う虫封じは、お札に対して行います。  

 特効薬は?

医学的に言えば小児神経症、漢方の世界では五臓(肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓)のバランスが乱れた状態と言われます。お医者さんならば、洋の東西を問わず鎮静作用のある薬を出してくれるでしょう。 しかし、何れも特効薬は無い様です。

また 「夜泣きやグズリは性格の一部で、病的なものではない」 とする考え方もあります。

いずれにしても、異常に泣くことは放置できません。薬を飲ませるだけではなく心身両面のケアが大切です。

 虫除け虫抜き虫封じ

昔の人は寄生虫を見かける機会が多かったので、虫が着いたと表現したのでしょう。虫を退治すれば落ち着く、という考えから、虫除け・虫抜き・虫封じなどと言う名前が生まれました。

虫除けは予防的に、虫抜きは治すために、虫封じは予防と治すことを兼ねて、のように使い分けられます。

 ご祈祷の方法

御祈祷の方法はいろいろありますが、大別すると、身体に対して直接行うものと、お札に対して行うものとに分けられます。

身体に対して直接行う場合は、墨を摺って、手のひらまたは指に、所定の文字や梵字とご真言を書き、お経を唱えてしばらくすると、手または指先から白い糸状の物が出て御祈祷を終えます。

お札に対して行う場合は、お札を身体と見なして御祈祷しますので、その方法も多種多様となります。

また、古くは前二者とはまったく異なり、虫封じの紙札を小さく切って飲む方法もありました。

墨を摺る場合は、塩を少量入れる指示が多く、墨も産地や製品名を指定している場合があります。お香では御祈祷の内容によってチョウジなどが指定されています。漢方の世界でチョウジは鎮静剤です。

墨や塩にも多少何かの物理的効果が有るのかも知れません。

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